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2009年1月19日月曜日

昨日…


母が亡くなって100日を、本当に近い家族で済ませました。62歳という若さで、几帳面な母が計画通りかのように自分の誕生日に亡くなりました。10年前に大腸がんを発病し、3、5、7年と節目の年をクリアしたと思っていたのですが、平成17年、私も手術をした年に再発しました。自分の体のこと母のこと、将来のことをいろいろ考え仕事を辞めました。何かあった時にすぐ帰れるようにと、臨時職員の仕事をしながら実家と札幌を行ったり来たりした時もありました。母に付き添い実家に腰を落ち着かせようとする度に仕事の紹介があり、まじめで何より私達の将来のことを考えていた母は、仕事を選ぶことを強く望みました。それが逆に私には辛い時もありました。
 去年に入り、母の状態がよい時と悪い時の差が激しく、また、急変する度に病気が悪化していくのがわかりました。何度も覚悟させられる時があり「こうやって死を受け入れる準備をするしか他にできないんだ」と思わざるをえませんでした。様子が気になって電話をするのですが、直接母と話せない歯痒さ、心配でいつも不安でした。離れている私にとっていつでも会いに行ける父や妹がうらやましいと思う反面、そばにいるなりの辛い経験をしている二人に申し訳ない気持ちと後ろめたい気持ちでいっぱいでした。
 亡くなった時は、初めて葬儀を家族でこなすのに悲しみにふける暇もないくらいでした。変な話ですが、私も妹も母の闘病時の辛さに比べたら、今の方が気持ち的には楽になったのが本音です。もちろん、一日でも長く生きてほしいと思っていましたが、母や私達の意思とは逆にどんどん体が蝕まれ弱っている母を見ていると、「楽にしてほしい」という母の気持ちがよくわかるのです。本人は、もちろんのこと、がん患者を支える家族の辛さが本当によくわかりました。
 それぞれの法要を終え日常が戻ってくると、料理のレシピや反物の幅…何気ないことで電話で聞いていたことができない、母の存在がないことに深い悲しみを覚え、突然言いようのない不安に襲われることがあります。でも今は、母が生前ずっとしていた心配をすることなく、成仏できるよう、心から本当に祈るしかありません。まだまだ未熟ではさみを入れられなかった母が好きで集めていた古布を使って、すてきな服を作れるようもっと頑張ります。

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